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Play the Game / I Want It All (失恋船長)
I Want It All (失恋船長)


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Play the Game / I Want It All
L.Aメタル風味満点のシャープなキレ
適度な重さも伴い華麗に疾走します
懐かしいですねぇ
こういうの今となっては逆に聴けないからなぁ

失恋船長 ★★★ (2025-06-06 19:57:33)


I Want It All

Eonian Recordsが発掘する幻の名品がこちら。東海岸を中心に活動するバンド。80年代の中期から、その名前はインディーズシーンに知れ渡り耳の早いマニアから作品のリリースを期待されるも、結局正式な作品を世に出す前にバンドは活動を終える。その為に、長らく日本では知られることのなかったバンドなのですが、SNSは勿論だが、配信という便利なツールがある今、ましてや無料で音源を確認出来る現在において、こういう作品に出会うのは容易な現状がやってきました。
今どき、BURRN!読んでCD買うのは高齢者が9割を越える。雑誌が販売される頃には皆が音源を聴いている。もっと怖いのがAmazonのレビューを見て買うという恐怖劇場も始まっている。どこまで依存体質なのかと驚くが、自分の耳ではなくライナーノーツや雑誌のレビューで鳴る音が決まってしまうごくごく一部の偏執的な志向の持ち主による出来事なのだが、今のご時世大半はサブスクリプションサービスで情報を仕入れる。

今作の出会いもサブスク、本日のオススメだった。Amazonにオススメされるのは日用品ばかりだが、ワタクシがメタルを愛するモノなのでセールが始まると下の方にそれらしき商品が映るのだが買わない。断捨離でかなりの数を売ったのでいらないのが現状だ。熱狂的なマニアは最初から買う。いくらでも買う。ワタクシもそうである。
だから、余程の事が無い限り買わない。そんな時代に、堂々と世に送り出された幻の一品。80年代型のメロディアスなアメリカンロックが好きな人には刺さるサウンドを見事に並べている。

バンドの創始者でベース兼ヴォーカルも務めたジーン・ハンター。これほどの才能を持ち合わせながら正式なデビューに至らなかったのは運命のいたずらと言うには残酷な話だが、ODINやLONDONなども同様に実力がありながらもチャンスを掴みきれなかったバンドである。
このバンドも、クラブハウスのメインを張り、ニューヨーカーに愛されるも、無念である。

シャープでキレのあるメロディアスハードなオープニングナンバー、アメリカのバンドらしく叙情的だがドライなサウンドは、これぞアメリカンハードの真骨頂とも言えるスタイルを堅守。その後はダンサンブルなナンバーやバラード、そしてメインストリーム系のサウンドを色彩美豊かに並べ立て、聴き手を鼓舞。これが正式にプロデューサーを迎え、音に厚みと奥行きを持たせたら、どれほど魅力的になるのかと、聴き手の想像力を掻き立てるのですが、音質的にもの足りなさがあれど、その不満を抑えるほどの魅力がある。

まぁ15曲は多いし、正式な音源ではないので、休み休みで十分なんですが、知らないバンドに出会うハンターには、丁度良い一品でしょう。レコード会社の紹介文も激アツ。地元での人気も凄く、大物アーティストが前座には強力すぎるといって拒否されたエピソードも紹介と凄い話もあるのだが、そんな情報よりも音そのもののクオリティが全てを証明するでしょう。

今回、彼らの蔵出し15品に出会う機会を与えてくれたレコード会社&Spotifyには感謝しかない。まだまだ知らないバンドが一杯あるねぇ。そしてアメリカのメタルシーンって本当に層が厚いんだなぁ。

失恋船長 ★★★ (2025-05-30 00:59:45)