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Mindslave / BANSHEE
失恋船長 (2025-05-20 10:13:39)
復活を果たした老舗メタルバンド。Cloven Hoofでも歌っていたジョージ・コールがシンガーとして抜擢。懐かしい名前のベースもいるが基本はギターのテリー・ダンのバンド。時代的にはリバイバルムーブメントが形成され成功例が沢山ある時代に、彼らは忘れ物を取りに来たぜと言わんばかりに復活したのだが、ジャケットから漂うオルタナムーブメント臭、まさかとは思うが一周回って逆張りの大負けとなる。

多くのファンが期待したのとは明らかに方向性の違うグランジ/オルタナムーブメントからの影響を受けたミドルナンバー中心のナンバー、ジョージ・コールの歌い回しも当然クドい。グランジ/オルタナムーブメントからの影響がない身としては、つまらん復活劇となってしまった。当然一曲も長い。モダンヘヴィネスってアメリカのど真ん中である。

とは言え、90年代以降のメタルにはグランジ/オルタナムーブメントからの影響は少なからずある。それらを聴いてきたギタリストが曲を作るからだ。だからそっち方面から来た人には問題は生じないだろうが、すくなくとも初期のガチンコメタルを期待すると肩が外れるくらい肩透かしを喰らうだろう。どこを切ってもグランジである。

最高につまらないDIOのAngry Machinesとか思い出したが、あれは時代の流れに迎合しただけ、今作は時代が違う。Unearthedなんてブラックサバスみたいな事していい加減にしろよと苦言しか出ないのだが、グランジ/オルタナムーブメントに影響を受けたメタルバンドの成れの果てが好きな人には向いている。

個人的にはとても悲しい作風になった。グラムとは絶妙に距離を置き、良い感じで大衆性のある曲をやりつつも、俺達は硬派なバンドなんだというのをアピールしていた。そのバンドが2012年にグランジ/オルタナムーブメントとは無念である。でも次もそんな感じだったから、これが今のテリー・ダンがやりたい事なのだろう。

聴き方を変えるとガチムチのアメリカン裏街道メタルに通ずるモノがあると言えなくもないのだが、やはりグランジ/オルタナムーブメント過ぎる。昔、好きだったバンドなので何とか肯定しようと必死なのだが、嘘はつけない。心の折り合いがつかん。

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