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Babylon / SAVAGE
失恋船長 (2025-05-22 22:09:18)
1996年にポニーキャニオンからリリースされた4枚目のフルアルバムですかね。翌年1997年にNEATからリリースされます。NWOBHMファンならば知らない人はいないNEATなんですが、1995年にオーナーだったジェス・コックスが、あのSanctuary Recordsに売却。その為に、NEATのカタログを再発するレーベルとしてNeat Metalという専門のレーベルが立ち上げたという事です。従って名義上の話、NEATは細々と存在していたので、名義は1995年からです。そして今作は新作で再発盤ではない、日本のレーベルと契約を結んだ彼らの作品を、その後契約しただけですね。
ちなみに今作は日本でもAmazonミュージックやSpotifyでも楽しめます。Amazon会員なら無料だし、Spotifyも無料で楽しめますので、興味のある方は是非ともトライしてください。

まずオープニングナンバーはThin LizzyのCold Sweat風味満載の曲で幕開け、そこに色んな思いを抱くでしょうが、個人的には掴みはOK。時代的にも、勢いのあるナンバーというはやりづらい時代ですから、当然彼らもそこは意識しています。そんな中でヘヴィなリフとリズムが重量感を醸し出す②、歌メロが親しみやすく90年代と向き合い折衷したサウンド、トリッキーなフレーズや引っかかりのあるリフを組み立て工夫を凝らしています。③もテンションを下げずに進む、まぁ当時のメタルシーンと照らし合わせて聴いてみると同型なんですよね。

その雰囲気重視の曲が進み一発逆転タイムリーが出るのかという空気が充満する中、タイトルに偽り無しのダンサンブルなリズムが躍動する⑤、またThin Lizzy愛溢れる⑥が出たりと、方向性の定まらない作風になっていますよね。
サウンドメイクが妙に陽性で、陰気な英国ロック風味が余り出ていない。その妙なサウンドプロダクションを演出しているのはプロデューサーとしても名を連ねるアンドリュー・ドーソンお仕事なので、個人的は、そこも賛否の分かれる要因でしょう。
今作は90年代型にもなりきれず、かといってNWOBHMバンザイな作風ではない。英国式ハードサウンドという意味でも弱い、もっとツッコめば個性が足りないとなるのだが、そこはお時間があるときにでもお試しください。まぁサブスクでイケるんで。
最後のアコースティカルな⑩も悪くないのだが、その道中がね。まぁイメージ的にもどうなのかなぁ。こういう英国風のギターは聴きたいよねぇ。

当然、今作は余り売れず、国内盤もサッパリ。その為に中古市場でも見かけないと言われる代物。なので逆説的に状態が良ければ、そこそこの値はつくと言われていますが、やっぱりNWOBHMファンから手厳しい評価を受けたというのが最大のポイントでしょう。
個人的にも、何十年ぶりに聴きました。今作があったことも忘れていました。

でも次のアルバムはもっとモダンになるからなぁ。ちなみに次作の新譜を出すのは、Neat Metalです。2000年ね。

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